たがみよしひさ - 軽井沢シンドローム
世の中には2種類の漫画読みがいる。
たがみが読める漫画読みと、読めない漫画読みである。
たがみの絵は、同じ主人公が3頭身になったり8頭身になったりする。
だから同じキャラクターを追うのが大変だと、たがみを読めない漫画読みは言う。
だが、たがみが読める漫画読みは、そう言われて初めて、その難しさに気が付く。
私は人から「あれは読めない」と言われて初めて気が付いたクチだ。
たがみは基本的にシリアスな物語を作る作家だ。
謎解きやミステリー、スリラー作品も多い。
だが、物語に常にギャグを散りばめる。
だからキャラクターは3頭身になったり8頭身になったりする。
もしかしたら、たがみは、みなもと太郎氏の影響を強く受けているのかもしれない。
もっとも、本人が気が付いていない可能性も高そうだが。
軽井沢シンドローム(以下、軽シン)は、元暴走族リーダーの写真家の卵を主人公にし、その友人達、知人達の動向を追う。
様々な事件が起き、仲間に入ってくる者もあれば、仲間の中で恋愛に至ったり、また逆に失恋に至るものも出てくる。
若者達が恋愛を交えながら成長していくドラマという意味では、「ふぞろいの林檎たち」に近い。
ただし、林檎は1983年のスタートであり、軽シンは1981年スタートだから、軽シンの方が先である。
軽シンでは、エピソードごとに、曲名をもじったサブタイトルが付けられていた。
その中には、「店の名はら・くか」というサブタイトルもあった。