801 - Listen Now

10月 4 2015

801はロキシー・ミュージックのギタリスト、フィル・マンザネラが、ロキシーが一時的に解散状態であった時期に立ち上げたプロジェクト。

アルバムには、ブライアン・イーノエディ・ジョブソン等のロキシー系ミュージシャンを中心に、当時の実力派が数多く参加している。

ただ、この801は、かなり行きあたりばったりで、真剣に新しいバンドをやろうとしていたわけでもなかったらしい。

解散状態で身体も空いているからと、適当に仲間で集まってギグってみたら、結構面白い感じになったから、その3週間後のコンサートに出てしまえ、となったという話もあれば、まずコンサートに空き枠があったので、適当に旧知のメンバーを集めて参加することにしたという話も聞いたことがある。

どっちが正しいかは知らないが、いずれにしても当初はその程度のノリだったらしく、アルバムを出す気もなかったようだ。

ところがコンサートの反応が予想以上に良かった。
それで、コンサート用に用意した曲を更に練りこんでアルバムにまとめることになり、だったらいろんなゲストも呼ぼう、ということで、ライブの際は5人だったメンバーが、スタジオでは総勢18人ものクレジットとなったらしい。
参加メンバーの中には10CCの実験的音楽側の二人、ケヴィン・ゴドレイとロル・クリームも混じっている。

サウンド的には、流石にロキシーっぽい陰鬱な雰囲気が濃厚。
だが、ブライアン・フェリーがいないせいか、全般にあっさりした印象でもある。

グラム・ロックとプログレがベースになっているが、フュージョンやファンクの香りが加味され、ニュー・ウェーブを隠し味に、ややポップ風味に仕上げました…と言ったら「なるほど」と頷いてくれる人と「なんじゃそれ」と言う人に分かれてしまうんだろうな。

ジャケットの印象もあるだろうが、音は全般に暗い。
ある意味、実にイギリスらしい暗澹たるサウンドであり、じめじめとした憂鬱な気分が這い出してくる。
けれど、その重さは決して辛いものではなく、むしろ、淡々と受け止めることのできる、穏やかな陰鬱とでも言うべきものだ。

そして、そうした陰鬱なムードの合間に、晴れやかな曲や軽快な曲が挟まれることが、梅雨明け、あるいは霧の晴れたかのような、適度に湿気た和やかさも感じさせてくれる。

この穏やかな陰鬱と、適度に湿気た清らかさが、耳に馴染んでくると、何度も聴きたくなる魅力となる。
実際、当時の私は、これを随分繰り返し聴いていたものだ。

リリース: 
1977年

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もう1曲入れておく。
801 - Island


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