甲斐バンド - バス通り
♪鞄をさげて 目の前に現れ おじぎをして 微笑んだ時に
♪白い歯が眩しかったのを 覚えてる
甲斐よしひろ率いる甲斐バンドは、このシングルで「九州最後のスーパー・スター」としてデビューした。
しかし、デビュー後の最初のコンサートでは、ゲストのチューリップのステージが終了したとたん、多くの客が席を立ってしまう。
私はこの曲が好きだし、この歌に登場する少女の清楚で可憐な雰囲気を好ましいものと感じる。
けれど、この曲があまりヒットしなかったのは仕方が無いとも思う。
当時は大学生が流行り歌の主導権を持っていた。
当時大学生であった団塊の世代にとって、彼らの曲は幼く感じられ、物足りなかったのだ。
この曲の収められた1st.アルバム「らいむらいと」全体を見渡しても、彼らの世界観は少女趣味なところがあり、当時流行の少女漫画、陸奥A子、田渕由美子、太刀掛秀子のような「おとめちっく」な雰囲気があった。
甲斐バンドが売れたのは、次のシングル「裏切りの街角」からだ。
まさしく彼らに大人の香りが付いてから、売れ始めたのだ。
ただ、「おとめちっく」のファンだった当時の女子中高生は、その後、彼らの長いファンとなった。
彼女等は、バス通りの頃は、コンサートに行くには幼かったが、その後も彼らの感性を支持し続けた。
おとめちっくな少女趣味と、大人びた恋愛の香り。
その混在が、彼らの魅力となったのだ。
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