柏原麻実 - 宙のまにまに
Submitted by ちゅん
9月
20
2013
女性作家らしい学園ラブコメディでありながら、天文部という、少々マニアックな趣味の世界を描いた快作。
物語の中での恋愛要素と、星座の魅力、そして部活への情熱のバランスが素晴らしく、とてもまとまりの良い青春ストーリーとなっている。
主人公は大人しい文系眼鏡男子で、実は優しくて気の回る頭の良い子。
このあたりはお約束。
けれど、物語を引っ張っていくのは二人の女の子。
一人は主人公の幼馴染で一つ年上、星に情熱をかける、天真爛漫な無邪気っ子。
お約束通り、彼女は恋愛音痴である。
もう一人は主人公に好意を寄せる、元々は天文には興味も無かった子。
彼女はもう一人のヒロインにライバル意識を持つが、次第に星にも興味を持つようになっていく。
前者が主に星への情熱を引っ張り、後者が主に恋愛要素を引っ張る。
そして、その周囲にいるたくさんの同級生や、他校の天文部生徒達が、彼らをサポートしつつ、主に部活部分を引っ張ってくれる。
実際、脇役が充実していることも、この作品の楽しい点だ。
個人的には、事あるごとに吐血する、身体の弱い天文部部長が、特に名脇役だと思う。
2009年にアニメ化されている。
リリース:
2005年