Larsen|Feiten Band - Who'll Be The Fool Tonight

8月 15 2013

知る人ぞ知る、Fusion/AORの名盤「Larsen|Feiten Band」の1曲目。

Buzz Feitenの伸びやかなボーカルと澄んだギター、Neil Larsenのくったくのないハイセンスなオルガンが、ラテンの少し混じった、実に気持ちの良い、すがすがしくスマートなサウンドを作り出していた。

この2人は、元々「Full Moon」というバンドをやっていた。
いわゆるフュージョン系のバンドだが、フュージョンのブームが来るより数年早かった。
まだ無名に近く、各々はスタジオ・ミュージシャンとして頭角を現してはいたが、バンドそのものはあまり注目を集められず、一旦解散となる。
おそらく、時期が早過ぎたのだろう。

しかし、その後出したNeil Larsenのソロアルバム2枚が当たる。
全曲インストゥルメンタルで、彼のオルガンを前面に出したフュージョンだったが、Buzz Feitenはこの2枚のアルバムにも参加・協力していた。
私が彼らを知ったのはこの時期だ。

Neil Larsenの3枚目のアルバムを出す話になった際に、二人はアルバムを共作し、Larsen|Feiten Bandを名乗ることを決める。

二人の仲の良さは、アルバム・ジャケットの写真にも十分見て取れるが、実際どの曲も、二人のサウンドが実に気持ちよく溶け合っている。

そして次のアルバムでは、さらにクレジットは「Full Moon Featuring Neil Larsen & Buzz Feiten」と変わった。
つまり、元々の「Full Moon」というバンド名を取り戻したことになる。

不思議なことに、このアルバムを名盤だと言う人は決して少なくないのに、Larsen|Feiten Bandの名前はあまりメジャーではない。

歌が入ればAOR、インストならフュージョンというサウンドだっただけに、もしかしたら、どっちつかずの印象もあったのかもしれない。
実にもったいない話である。

ちなみにBuzz Feitenは、Buzz Feiten Tuning Systemという、これまた知る人ぞ知る、画期的なギター・チューニング・システムの考案者である。

リリース: 
1980年

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