サライネス - 誰も寝てはならぬ

8月 16 2013

東京赤坂の、とあるデザイン事務所の日常をコミカルに描いた作品だが、何故か大阪弁の地の文が常に付く。
この解説(?)文が、かつての講談やラジオドラマのようで、実に味わい深い。
もしかしたら、この地の文こそが主人公ではないかと思えるほどなのである。

デザイン事務所の構成員は、通称「ハルキちゃん」(年上にモテるがヘタレでバツイチ)、通称「ゴロちゃん」(女性遍歴多数で離婚歴3回)、通称「ヤーマダ君」(態度がデカいが実は結構気が回る独身)。

皆40歳前で、大学では同期だった。
それぞれ趣味には少々うるさくアクも強い。
途中から30歳の通称「マキオちゃん」(オタクで根暗で独身)が加わる。

※以下、カギカッコ内は全て通称。

また、バイト員として「ねねちゃん」「巴ちゃん」がおり、事務所に出入りする交友関係として「ヨリちゃん」「中村ハン」など。
ハルキちゃんが心を寄せる相手として、気象予報士でTVのお天気キャスター「岡ちゃん」、下矢凪さんの姪御さんなど…。
またハルキちゃんの飼う猫も事務所を半ば住み家としている。

他にも様々な個性的な(クセのある)人物が登場するが、それぞれ登場人物の人間関係や恋愛模様、趣味、癖などがあれこれ大阪弁で解説されるあたり、なんともとぼけた味わいがあって、実に楽しい。

ゲラゲラ笑うような漫画ではないが、にまにまウヒヒヒと笑える漫画なのである。

ただ、一応ストーリー漫画にも関わらず、コマ割が常に6分割で固定されているあたり、またスクリーントーンを全く使わないあたり、なんとも見た目の構成はそっけない。
字が多いことも相まって、更には登場人物の年齢が割と高いこともあって、おそらくこの漫画を素通りしていた人は多いだろうと思う。

けれど、一度読んで、この独特のテンポに相性の良さを感じたら、もう全部読まずにはいられなくなる。

そう、私はそれでハマッたのだ。

リリース: 
2003年

enlightened私も好き♪/嫌い」への投票は、ユーザー登録なしでもできるようになっています。
ただし、トップページのように、本文の一部しか表示されていない場所では投票できません。
タイトルもしくは「この続きを読む」をクリックして、全文を表示させてから投票してください。
投票は、実際に視聴したことのある作品に対してのみ行うようにしてください。
ユーザー登録なしでの投票は、通常、約24時間後に反映されます。