中村光 - 聖☆おにいさん
普段は天上界にいるブッタとイエスが、下界で羽を伸ばそうと、日本の立川で、安アパートを借りて住む。
しかし、バカンスを満喫しすぎてとんでもない非常識をやってしまったり、ついつい弾みで奇跡を起こしてしまったり…。
様々な宗教ネタをギャグとして取り込んでいるのが圧巻。
仏教キリスト教に限らず、神道、ヒンドゥー、ギリシャ伝説等もネタとして登場する。
また、日本独特のカルチャーをネタにした話も多い。
爆笑ものの漫画であり、面白さは保障できるが、「これ、本当に描いていいのか?」と思うネタも多く、それゆえに、余計に笑いが加速してしまっている感がある。
なにせ、設定が設定である。
「これって、聖人をバカにしていることにならないのかな?」
「これって、仏教徒やキリスト教徒が読んだら、怒るんじゃないか?」
と不安になってしまうのだ。
そして不安と感じるが故に、笑うしかないとも思う。
日本は宗教的にはゆるい国だし、普通に読めば、仏教やキリスト教を馬鹿にしているわけではないことは分かる。
むしろ著者は、ブッタやイエスに親しみを感じて、好感を持って描いている。
だから、寛容な人なら、ニコニコと笑って俯瞰していてくれるだろう。
けれど宗教家って、厳格な人、結構いるじゃないですか。
そういう人から見たら、この漫画って大丈夫なのかなぁ…と不安なんだよね。
もし海外で販売したら、いったいどんな反応となるんだろう?
笑って楽しんでくれれば嬉しいんだけど…。