Emerson, Lake & Palmer - Pictures At An Exhibition
邦題「展覧会の絵」。ムソルグスキー作曲のピアノ組曲を元に、一部オリジナル曲を交え、ロック・アレンジを施したもの。
ライブ版であり、3人のみの演奏だが、重厚なサウンドと緊張感が絶大な支持を得た。
ELPは、いわゆるスーパーグループであり、プログレッシブ・ロック四天王の一つ。
スーパーグループとは、既に人気のあるスターが集まって結成したバンドを指す。
キーボードのキース・エマーソンはナイス、ベースとギターとボーカルのグレッグ・レイクはキング・クリムゾン、ドラムのカール・パーマーはアトミック・ルースターで、既に人気を得ていた。
今、当時の映像を改めて観てみると、彼らの風貌の若さに驚く。
当時、エマーソンは27歳、レイクは24歳、パーマーに至っては21歳である。
パーマーの笑顔にはまだ幼さが垣間見えるほどだ。
このアルバムの発売は、彼らにとって不本意なものだったと言う。
この曲は、彼らが言わばバンドのウォーミングアップとして始めたもので、彼らはこれをアルバムにする気は無かった。
ライブでは演ったものの、売るレコードはオリジナル曲で固めるつもりだったし、仮にレコードにするなら、もっと手を入れるつもりだった。
しかし、ELPのライブの評判は予想以上で、海賊版の音源が出回り始める。
事態を収拾するため、彼らは大急ぎでレコード化に踏み切る。
結果、イギリスでは3位、アメリカでは10位。
このアルバムによって、彼らの人気は全世界的なものとして確立される。
当時のシンセサイザーは単音楽器であり、音質のプリセットなどという機能は未だ無かった。
サウンドの調整は、パネルに並べられたいくつものボリューム・ノブを調整することで行われた。
エマーソンのシンセサイザーへの造詣は深く、ライブ中に音質を変化させながら演奏する様は神業とされた。
シンセが緊張感を担う一方で、レイクのギターとボーカルは美しく、あたかも清涼剤のようだった。
静と動の対比、そしてそれを成立させる高度なテクニックこそが、彼らのサウンドの真髄だった。
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