Gino Vannelli - Love and Emotion
飛びぬけた情熱的な歌唱力と、豊富なサウンド・アイデアを併せ持つ、イタリア系カナダ人のシンガー・ソング・ライター。
ドラマチックで迫力のあるフュージョン系サウンドは、様々なアーティストに影響を与えた。
(私見だが、おそらくは山下達郎にも、かなりの影響を与えたと思う。)
その歌唱スタイルからAORと位置付けられることの多い彼だが、楽曲の凝った編曲は、AORに留まらないより広大な自由さを合わせ持つ。
ジノ・ヴァネリの優れた才能は、実は彼一人のものではない。
彼の兄であるJoe Vannelliが、キーボード兼アレンジャーとして、常に彼をサポートしており、豊富なサウンド・アイデアのかなりの割合を、Joeのアイデアが占めているものと思われる。
ボサノバの影響や凝ったプログレ風のアレンジ、またシンセベースの導入が早かったのは、まず間違いなくJoeのアイデアだろう。
とはいえ、父親がビッグバンドのミュージシャンであったと言うし、Gino自身も大学で音楽を専攻している。
彼自身のソング・ライティングの能力が高いことも、歌唱力が素晴らしいことも疑いの余地は無い。
才能の溢れている兄弟が、イタリア系家族の独特の強い絆で、強力なタッグを組んでいるということなのだろう。
この曲は「Brother to Brother」というアルバムに収められている印象的なナンバーで、私も学生の頃、バンドでこれのコピーをしていたのが懐かしい。
このアルバムには「I Just Wanna Stop」という曲も収められており、こちらはシングルカットされ、全米4位になっている。
コメント
Love and Emotion凝ったサウンド作りに注目。
Love and Emotion
凝ったサウンド作りに注目。
I Just Wanna Stop(1991年のライブ
I Just Wanna Stop(1991年のライブ)
こちらはよりソウルフルで、かなりモータウンっぽい。
割とスタンダードな、ボーカルを主体にしたアレンジだけに、これがAORと見なされたのは頷ける。