田代ともや - それでも君の街
♪あなたは壊れたこの街 思い出せますか
♪ここからここから見える街 消えてしまった
地味なフォークソングだが、どうか正面から受け取って欲しい。
必ず、貴方の心に響いてくるものがあるはずだから。
音楽には、二つのマジックがある。
一つは音そのものの力だ。
磨かれたサウンド、凝った音の構成は、ダイレクトに身体に響く。
自然に緊張が解けたり、踊り出したり、夢想に耽ったりする。
もう一つは言葉の力だ。
言葉からイメージが広がり、あるいは言葉から感情が紡ぎ出される。
これは聴く側が意識的でなければ、届かない場合も多い。
この2つの比重の違いが大きければ、同じ「音楽好き」でも聴き方が全く異なっていく。
当然、作り手も、前者を重く扱うものと、後者を重く扱うものに分かれる。
私はどちらかと言えば前者の音楽に傾倒してきたが、たまに後者にも波長が合うときがある。
この曲を知ってる人は、ごく少ないと思う。
と言うより、田代ともやを知ってる人自体、多くはないはずだ。
田代は1970年代になぎら健壱等と一緒に活躍していたフォークシンガーだが、レコードデビューの矢先に交通事故を起こし、メジャーになるチャンスを逃がした。
けれど今も音楽活動は続けており、自主制作でCDを作っている。
彼にはもう一つの顔がある。
カンボジアで学校を作ったり、3.11後の福島県で通学路に花を植えたりといったボランティア活動を、地道に続けているのだ。
だからこそ、この歌には、言葉遊びでは作れない実感がある。
ヒットするとかしないとか、そういう事とは全く異なる次元で、大切にしたい音楽があるとしたら、こういう音楽なのではないかと思う。
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♪「負けてたまるか」
この曲も田代ともや氏が支援・交流を続ける中で知り合った地元の方への応援歌。