Steely Dan - Do It Again
デビューアルバム「Can't Buy A Thrill」の1曲目。
ロックでありながらジャズやR&Bの風味が強く、お洒落でハイセンスな大人びたサウンドと、繊細で高度なテクニックが支持された。
それはまさに時代を先取りした新しい音だった。
ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーの二人は当初、作曲家としての成功を夢見ていた。
しかし彼らの作る曲は当時のヒットチャートとは異なっており、プロモーターの理解をなかなか得られなかった。
やっと興味を示してくれたレコード会社は、彼らにバンドとしてなら契約してもいいと言ってきた。
それで大急ぎで仲間を集め、バンドを作り、SF小説に出てくる小道具の名前を借り、スティーリーダンと命名した。
72年にアルバムを出し、この曲をシングルカットすると、全米6位を記録した。
幸先のいいスタートだった。
だが、大急ぎで作ったバンドは、必ずしも上手く動かなかった。
そもそも二人は、ライブに興味が無かった。
ドナルド・フェイゲンはレコーディングでは自分で歌ったが、ライブでは別のボーカルを立てて任せる始末だった。
結局、メンバーチェンジを度々繰り返すようになり、曲作りはスタジオで様々なプロを招いて行うようになる。
当時のプロモーター達が躊躇したのは仕方が無いかもしれない。
このアルバムは斬新過ぎて、デモテープでは曲の魅力は伝えられなかっただろう。
「Do It Again」にしても、いわゆるシングルヒットするようなメロディアスな曲ではない。
しかし耳に残る。
気になったら仕方がなくなるという曲だったのだ。
コメント
デビュー当時のライブ映像ですが、ライブ音源版と
デビュー当時のライブ映像ですが、ライブ音源版と、音だけ市販版に差し替えたものがあったので、両方貼っておきます。
サウンドそのものはライブでもかなり再現されていますが、やはりボーカルの違いは大きいですね。