Tin Pan Alley - Choppers Boogie
時代を象徴する名曲の一つ。
この曲はTin Pan Alley版と後藤次利版があるが、Tin Pan Alley版は歌詞が入っており華やかな印象。
後藤次利版はインストで印象は地味だが、ベーステクは更に磨きがかかっている。
Tin Pan Alley版はアルバム『キャラメル・ママ』(1975年)に収められており、後藤次利版は彼の初ソロ・アルバム『ON Bass』(1978年)に収録されている。
どちらもベーシストは後藤次利であり、日本ではこの曲によって「チョッパー」というベースの弾き方が知れ渡った。
現在ではスラップと呼ばれるテクだが、当時は未だごく一部のミュージシャンにしか馴染みのない奏法だったのである。
Tin Pan Alleyは細野晴臣がはっぴいえんどの後に作った音楽ユニットで、当初はキャラメル・ママと名乗っていた。
参加メンバーは鈴木茂(g)、林立夫(Dr)、松任谷正隆(ky)(後に佐藤博)。
ただし、曲ごとにゲストメンバーが追加されており、参加メンバーを全て加えると、おそらく数倍に膨れ上がる。
彼らはアルバムを2枚残しているが、バンドというよりは音楽プロデュース用のチームであり、歌謡曲やニュー・ミュージックのアレンジと録音に大活躍した。
一方、後藤次利は、加藤和彦のサディスティック・ミカ・バンドに小原礼の代わりに参加し、そのイギリス・ツアーで最も注目されたプレイヤーであった。
1975年にミカ・バンドが解散し、翌年からサディスティックス名義でバンド活動していたが、後藤がソロ・アルバム製作中の1978年にサディスティックスは解散している。
つまり、ミカ・バンド時代に後藤はTin Pan Alley名義で、ゲストミュージシャンとしてこの曲を披露し、サディスティックスを経てソロになる際に、再度提出しなおしたことになる。
この曲は、はっぴいえんど系列とミカ・バンド系列との接点としても、一つの時代を象徴する曲としても、とても重要な曲と言えるだろう。
ちなみに『ON Bass』は、実はソロ・アルバムと言うよりも、ベースの教則レコードとして企画されていたという情報もある。
だとしたら、比較的シンプルな構成は意図的なものだったかもしれない。
最近のスラップの馬鹿テクを聴いてしまうと、ちょっぴり恥ずかしい気もしないでもないのだが、当時は間違いなく、これがベーステクの最前線だったのだ。

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Tin Pan Alley版
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後藤次利版
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後藤次利・2007年ライブ
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おまけ
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