King Crimson - Book of Saturday

8月 7 2015

もし僕が君を欺くことさえできたら
ゲームのことはすっかり忘れてさ
君から離れようとするたびごとに
君はまた、同じように笑うんだろうな

彼らの5枚目のアルバム、「Larks' Tongues in Aspic(邦題:太陽と戦慄)」から。

King Crimsonは、いわゆるプログレ御三家の一つで、実験的な音作りと、幻想的な詩が魅力的だった。
破壊的かつ攻撃的な音と、センチメンタルに囁く繊細な音が同居していた。
この、ある意味両極端な音作りの狭間で、リスナーは悪魔と天使の戦いを感じ取ることが出来たのだと思う。

この曲はロックというよりも、むしろフォークソングに近い。
しかし内容は哲学的だ。
取り留めのない記憶と連想の中、信じること、先に進むことを決意していく内容である。

一般的なポピュラーソングの枠からあえてはみ出ていこうとする彼らの音は、当時、なんと刺激的だっただろう。

彼らの攻撃的な曲も素晴らしいのだけど、そうした攻撃的な音の間に挿入される、この曲のような繊細なサウンドは、もっと好きだった。

戦いの合間の休息めいて、空から晴れ間が覗くような、暗い空の雲間から月が出てくるような、そんな安らぎを感じることが出来た。

彼らは何度もメンバーチェンジを繰り返しているが、基本的にはRobert Frippのワンマンバンドであり、Robert Frippさえいれば、それがKing Crimsonのサウンドだと言って良い。

しかし、それぞれの時期のメンバーは、どれもテクニシャン揃いであり、それぞれが強い個性と存在感を持っていた。
いわゆる「他のメンバーは小者」的な扱いとは全く異なる。
個性と個性のぶつかり合いが、それぞれの時期のKing Crimsonのサウンドを決定した。

そんなわけだから、時期によってKing Crimsonのカラーもかなり変わっているのだが、特に彼らの初期、70年台までの音は、どのアルバムも、何度聴いても素晴らしい。

リリース: 
1973年

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ユーザー ちゅん の写真

King Crimson - Book of Saturday (Alternate Take)

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King Crimsonで当時ボーカルとベースを担当していたJohn Wettonの2003年のライブVer.

後半、Easy Money、Starlessと、King Crimsonの曲が続きます。

King Crimsonのオリジナルよりは、ちょっとハードロック寄り。


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