Doobie Brothers - Take Me In Your Arms

9月 16 2013

ドゥービー・ブラザーズは前期と後期、そして再結成後で曲調が異なる。
前期は南部ロック、後期はAOR、再結成後はそのMIXと言える。
この曲の収められたアルバム「Stampede」は彼らの5枚目で、前期の最後のアルバムであり、僅かに後期の予感を孕んでいる。

「Take Me In Your Arms(邦題:君の胸に抱かれたい)」は、キム・ウェストンが65年にヒットさせた曲のカバー。
その曲調の明るさは、ドゥービーの曲の中では飛び抜けている。
シングルチャート11位となり、オリジナルを凌ぐヒットとなった。

彼らは元々アメリカ南部のワイルドさを持ったバンドだったが、初期の彼らの曲には、どこか暗さが滲んでいた。
しかし次第に泥臭さが抜けていくと同時に、曲調も明るくなり、彼らはイーグルスと並びアメリカを代表するロックバンドに成長する。
彼らの前期の絶頂期は、前期のアルバム5枚のうち、後半3枚のアルバムに集約される。

その5枚目のアルバム「Stampede」では、それまでも度々ゲスト参加していたジェフ・バクスターが正式メンバーとなり、トリプルギターとなった。
個性の異なる3本のギターの組み合わせは、彼らの表現の幅を広げた。

「Stampede」は、アルバムチャート4位。
ゴールドディスクも獲得している。

しかし、バンドの顔であったジョンストンの健康が悪化し、彼はこのアルバム録音の後、ツアーにも参加しないまま、バンドを脱退してしまう。
実質的なリーダーであり、作曲とボーカルとギターを担っていた彼の脱退はあまりに大きかった。
バンド継続のため、ジェフ・バクスターの紹介で、マイケル・マクドナルドが参加することになる。

バクスターとマクドナルドは共に、スティーリー・ダンのツアーメンバーだった。
特にマクドナルドには作曲の才能があり、ボーカリストとしても優れていた。
言わばスティーリー・ダンの洗練されたスタイルが、ドゥービーに注入されたのだ。

以降、バンドは力強さは残しながらも、荒々しさを失ない、代わりに、洗練されたAORバンドへと変貌していく。

リリース: 
1975年

コメント

ユーザー ちゅん の写真


enlightened私も好き♪/嫌い」への投票は、ユーザー登録なしでもできるようになっています。
ただし、トップページのように、本文の一部しか表示されていない場所では投票できません。
タイトルもしくは「この続きを読む」をクリックして、全文を表示させてから投票してください。
投票は、実際に視聴したことのある作品に対してのみ行うようにしてください。
ユーザー登録なしでの投票は、通常、約24時間後に反映されます。