Brian Eno - Spider and I
♪蜘蛛と私は座って空を見上げている
♪音のない私達の世界で
♪僕らは蜘蛛の巣を編む
♪小さな羽虫を捕らえるために
♪音のない私達の世界で
今回、1番だけ訳してみた。
蜘蛛の巣は「Web」で、ネットのWebである。
羽虫は「tiny fly」で、飛び交う情報。
世界の情報を俯瞰して集め、そこから大切なものを拾う。
そんな姿勢がこの歌に凝縮されている。
こう書いたら、そのまま信じてしまう人が出てきそうだが、もちろんこれは嘘だ。
当時は未だインターネットなんて無かったのだから。
「tiny fly」は、インスピレーションのことだろう。
「Web」とは、音楽そのもののこと。
実は「Spider」とは、イーノの友人でもあるデヴィッド・ボウイの愛称だ。
当時ボウイは、精神面での疲労も大きく、アメリカからベルリンに移住し、周囲との関係を絶って、イーノの協力の下、黙々と音楽製作に打ち込んでいた。
ボウイとイーノの、そんな生活を歌っているのだ。
この曲は、1977年に出したソロアルバム「Before and after Science」の最後を飾る曲。
このアルバムは淡々としていて地味だが、とても落ち着いた哲学的印象を湛えている。
Roxy Musicでシンセサイザー奏者として注目を集めていた彼が、Roxyを去った後、ソロアルバムを出しながら、次第に音楽理論を深化させ、環境音楽に傾倒していく。
その中間のポイントに、このアルバムはある。

コメント
(件名なし)