頭脳警察 - さようなら世界夫人よ

9月 14 2013

さようなら世界夫人よ さあまた
若くつやつやと身を飾れ
僕等は君の泣き声と君の笑い声には もう飽きた

頭脳警察は、70年代の学生運動の中で祭り上げられ、政治的な音楽バンドとされた。

彼らの最初のアルバム「頭脳警察1」は、ジャケットに3億円事件犯人のモンタージュ写真を使い、曲目には「世界革命戦争宣言」「赤軍兵士の詩」「銃をとれ」などが並ぶ。
この過激さのため、連合赤軍の破壊活動の支援と目されたのか、発売中止となってしまう。
この中に「さようなら世界夫人よ」も収められていた。

彼らは発売中止にめげず、その2ヵ月後に「頭脳警察セカンド」を発売。
この中には「銃をとれ」「さようなら世界夫人よ」も再度収録された。

この「さようなら世界夫人よ」の歌詞は、実はノーベル文学賞受賞作家である、ヘルマン・ヘッセの詩の邦訳である。

「世界夫人」は「ミセス・ワールド」であり、疑いを抱くことなく世界に寄り添い、実利と享楽を貪る者を指す。
貧困や飢餓等の現実を見ない者を否定する歌なのだ。

その詩を頭脳警察のパンタは、苛立ちと怒りを込め、切り捨てるように歌った。

実は、彼ら自身は、政治活動を目指していたわけではないらしい。
自分達のやりたい音楽をやっていたら、いつのまにか御輿に担がれていたという趣旨の発言をパンタが何かでしていたのを覚えている。

それにしても、この曲のメロディーは美しい。
Aメロとサビメロは明らかに異なるものの、実はコード(和音)は同じである。
「C,Em,Am,F,C,Am,Dm,G」という一つの循環コードだけで成立している曲なのだ。

リリース: 
1972年

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ユーザー ちゅん の写真

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頭脳警察 2003 (with 安全囃子)


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