鈴木茂 - 砂の女

7月 25 2013

風まじりの雪がすべる浜辺に
稲妻のような波が轟く

粒立ちの良い跳ねて舞い上がるようなリズム、クールでカラッと乾いたサウンド、どちらも当時の日本では得られない音だった。
そんな軽快な音をバックに、彼のギターが甘い蜜のように弾けている。

この音を初めて聴いたとき、ああ、やっぱり日本の音とは全く違う、この開放感は日本では得られないと思ってしまったものだ。

正直に言えば、私は普段、彼のギターを、さほど聴きたいとは思っていない。
鈴木茂のスライドギターは確かに上手い。
だが、そのサウンドは使い道が限られる。

しかし、このアルバムだけは話が別だ。
彼のギターがこれほど気持ちよく鳴っているアルバムは他に無い。

はっぴいえんど、キャラメル・ママ、ティン・パン・アレーと、日本のロックとニュー・ミュージックのメイン街道を歩んできた彼が、1975年にアメリカで、現地のスタジオミュージシャンを使って録音してきた、アルバム「Band Wagon」の中の1曲。

アルバム全体に良い曲が多く、鈴木のボーカルも伸びやかだ。
少々スタジオ・ミュージシャンに頼りっきりになっている感もないわけではないが、ともかく当時、これが最も新鮮な音だった。

リリース: 
1975年

コメント

ユーザー ちゅん の写真


enlightened私も好き♪/嫌い」への投票は、ユーザー登録なしでもできるようになっています。
ただし、トップページのように、本文の一部しか表示されていない場所では投票できません。
タイトルもしくは「この続きを読む」をクリックして、全文を表示させてから投票してください。
投票は、実際に視聴したことのある作品に対してのみ行うようにしてください。
ユーザー登録なしでの投票は、通常、約24時間後に反映されます。