泉谷しげる - 眠れない夜
♪眠れない夜
♪風が窓をたたき 手招きして誘い水をまく
泉谷はフォークシンガーとしてデビューし、次第にロックっぽい音に変わっていった印象があるが、実は元々ロック志向だったという。
泉谷は高校を中退した後、いくつかの職につきながら、ローリングストーンズに憧れ、ロックバンドをやっていた。
しかし火事でエレキギターやアンプを失い、仕方なくフォークに転向する。
デビュー前、彼は新宿西口広場でギター片手に歌を歌い、学生運動の現場にいた。
そうした体験が「黒いかばん」を彼に書かせた。
しかし、歌に怒りを乗せ、自由を託しながらも、学生運動の思想には強い違和感を感じていたらしい。
1971年、ライブアルバム「泉谷しげる登場」でデビュー。
翌年出したセカンドアルバム「春・夏・秋・冬」では、加藤和彦がプロデュースをしてくれた。
一つ飛んで4枚目の「光と影」ではサディスティック・ミカ・バンドが参加し、ロック色が強くなってくる。
そして5枚目の「黄金狂時代」では、イエロー、ラストショウといったロックバンドをバックに、ほぼ完全にロックのサウンドとなる。
「眠れない夜」は「黄金狂時代」の最初の曲で、当時、和製ロックの最前線にあった曲だと言えると思う。
泉谷の豪快で、それでいて繊細さの垣間見えるボーカルが、とても素晴らしい。
おそらく「春・夏・秋・冬」の時の話だと思うのだが、泉谷は加藤和彦のギターを借りて録音した。
普段使っていたギターと比べ、やたら弾き易い。
その弾き易さに釣られ、ガンガン弾いていたら、気が付いたらギターのボディーがピックで擦り傷だらけになっていた。
で、恐る恐るギターを返しつつ、加藤和彦にギターの値段を尋ねたら、車1台分以上の値段で、「いいよいいよ」と言ってくれたものの、真っ青になって平謝りして、とんでもない冷や汗をかいた…。
という逸話を、確か、加藤和彦の追悼番組だったかで、泉谷が語っていた。
加藤がアメリカで買ってきたマーチンだったのだろう。
泉谷らしく、また和彦らしい逸話である。
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