新井祥 - 性別が、ない!
世の中には色々な人がいるが、中には性別が無い人もいるというのは、なかなか受け入れられにくい事実だろう。
自己の元々の性を否定する人のことではない。
身体的に男でもあり女でもある人、あるいは、男でもなく女でもない人が、世の中には存在する。
新井はその一人である。
新井は女性として育てられ、女性として結婚もしたが、ある時、自分が半陰陽だと知る。
染色体が特殊だったのだ。
彼女は半陰陽だと知ることで、自身の中の性の不安定さを自覚し、最終的に男として生活することを選択する。
そして性別の不思議を、自身の体験や周囲の様々な例を元に、漫画で伝え始める。
それをまとめたのがこの本である。
基本的に4コマ漫画であり、ノリは明るい。
軽薄に感じる人もいるかもしれないが、性に悩む人、性の不思議を理解したい人には良い教科書だと思う。
小さい頃から女性だと思っていたのに、自分は女性ではなかったというのは、物凄いショックだろう。
普通の人は、ショックを乗り越えてなお、女性としての人生、もしくは男性としての人生を選ぶと思う。
新井もまた、男として生きることに決めたが、女性であったこと、半陰陽であることを隠そうとしない。
これは勇気がいることだ。
本人も凄いし、周囲にも理解ある人が多かったのだ。
氏のような存在が、性の未来を解決していくのだと私は信じたい。
コメント
ちなみに、以下は私見。 >染色体が特殊だったのだ。