押尾コータロー - Fatasy!

8月 12 2013

スティール弦の響きが大変美しい、まさにファンタスティックな曲。
メロディー、ハーモニー、和音、ベース音、ボディ・ヒット音が複雑に絡む様は、一人で、僅かギター1本だけで鳴らしているとはとても思えない。
2002年に出た、彼のメジャー・デビュー・アルバム「STARTING POINT」の最初の曲だ。

この曲が好きか嫌いかは、好みに当然左右される。
メロディーがいくら美しくても、アップテンポな曲は嫌いと言う人はいるだろうし、ギター1本だけのインストゥルメンタルだから、飽きるという人もいると思う。

けれど、テクニックの凄さは誰にも否定できない域だ。
ギター1本でここまで凝ったサウンドを作れる人は、世界を見渡しても、数えるほどしかいない。
ここ10年ほどのアコースティック・ギターの雑誌コーナーでは、押尾の顔や名前を見掛けない方が珍しいくらいの人気だ。

自作ではない曲も数多く奏っているが、やはり彼らしさが濃厚なのはこうした自作曲。
オープンコードやハーモニクスを多用することもあって、彼の曲は音の響きが明るい。
ブルーノートをほとんど使わないから、暗めの曲でも重くならないし、明るい曲はとことん明るい。

ROCKやJAZZが好きな人には、そこが物足りないぐらいだろう。
しかし、クラシックやPOPSのファンには聴きやすい。

聴きやすさ故に、聞き流せばBGMになってしまいそうな軽さがあるが、聴けば聴くほど味わい深い、そんな濃厚さを秘めている。

リリース: 
2002年

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