山内泰延 - 男子高校生の日常
ストーリー性をほぼ排除し、日常にありえるちょっとした笑いをシニカルな視点で取り上げている。
ある意味、サザエさんや、かりあげクンの系統のマンガなのだが、笑いの質はもっと過激であり、ほのぼのさからはほど遠い。
その過激さは、キャラクター設定による。
妙に老けた高校生だったり、やたら作り話をする高校生だったり、気遣いをしつつ天然な高校生だったり、喧嘩はするが基本はシャイな高校生だったり、やたら凶暴な女子校生だったりするが、総じて馬鹿げた行動を取る事が大好きで、人を混乱させることを平然とやるキャラばかりなのだ。
また、やたら殴る蹴るの表現が多いことも、過激な印象の原因だろう。
だが、こうした過激さは持ち合わせながらも、その辺の高校に実在しそうな普通っぽさをキチンと持ち合わせている。
こうした絶妙なバランス感が、ありそうでありえない、過激な展開のバックヤードとなっていて、そこに読者は「ありがちな共感」と「あり得ない笑い」を見出すことができる。
ある意味、とても現代的なマンガなのだろうと思う。
あと10年早かったら、ここまで迫ったキャラクターにはなれなかっただろうし、20年後にはもう完全に古びているかもしれない。
けれど、今はすごく面白い。
それにしても、10代の頃って、ほんと、恥ずかしいね。
恥ずかしくて馬鹿。
でも、それがいいんだろうなと、改めて思えるはず。
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