安倍吉俊 - リューシカ・リューシカ
妄想がちな少女の目に映る世界は、面白くて、優しくて、時として腹立たしくも、とんでもない。
結構アブナイ人ですよ。この域まで行っちゃうと。
でも無邪気で過激で、それでいてゆる~~い感じがいいんだよねぇ。
こういう空想の羽ばたきは、少年少女の特権かもしれない。
全ページがカラーというのも、どこか「夏休みの映画」みたいで、ちょっと嬉しい。
特に2巻以降、カラーでないと、これは表現出来なかったな、という話が増えてくるので、さらに嬉しい。
傾向としては「よつばと!」に結構近いかな。
どちらも子供の無邪気な視点をクローズアップした作品ですし。
でも、子供の性格も、背景となる風景も、周囲の人間関係も全然違うので、実はそんなに似ているわけでもないです。
リューシカはむしろ「不思議の国のアリス」みたいに、空想が暴走していく感じが楽しいんだよね。
どこまで暴走していくかを見定めたくて、もっと読みたくなっていく。
この暴走の加速と、脇役の過剰な突っ込みが、作者独特の気持ちよさになっていると思います。
作者には「ニア アンダーセブン」という、地球人の女の子と宇宙人の女の子が日本の長屋でだらだらと同居している、という設定の佳作があるのだけど、これが実にのんびりしつつも会話がド突き漫才で、「年中喧嘩しつつも仲が良い」という感じが楽しかった。
その血をリューシカも、しっかり引き継いでますね。
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