吉田拓郎 - ある雨の日の情景
Submitted by ちゅん
7月
27
2013
♪バスが(バスが)止まって(並木道に)
♪外は雨がふっている(外は雨が)
シンプルなギターに、歌が交互にかけ合う。
ごく短い曲だが、妙に描写がリアルで、当時の学生のアンニュイでセンチメンタルな情緒感を上手く表現していたと思う。
私も学生の頃、大学の近くにあった喫茶店で、よく時間潰しをしていた。
当時は携帯電話も携帯ゲームも無いから、時間潰しは、誰かと無駄話をするか、本を読むか、茶を飲むかぐらいしかなかった。
場所は、たいていは学内の広場か部室で、天気が悪いときや小腹が空いたときは喫茶店に逃げ込んだ。
大学近くの喫茶店には、たいていいつも、誰かがいた。
たまたま誰もいなければ、本を読んで過ごすか、ただただ窓の外を見ながら、時間をやり過ごした。
雨の日は、家にいても、喫茶店にいても、何もする気が起きなくて、ただただ窓の雨粒をボーっと見ていたりしていた。
雨粒同士がひっつき、大きくなり、流れる様は、いつ見ても、それなりに退屈しのぎになった。
今はそういう時間の使い方をする人は、滅多にいないだろうな、と思う。
当時のそんな時間の使い方は、もしかしたら、ものすごく贅沢なことだったのかもしれない。
リリース:
1971年
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