中島みゆき - 店の名はライフ

7月 14 2013

店の名はライフ 自転車屋のとなり
どんな酔っても たどりつける

今では想像し難いだろう。
60年代後半から70年代前半にかけて、喫茶店はとても特殊な場所だった。

当時は音楽著作権の扱いは緩やかで、有線放送も無かったから、店のマスターが好きなレコードをかけ、客のリクエストに応えて編集したテープを流していることも多かった。
ジャズを愛するマスターの店にはジャズ好きが集まってきたし、ロックや洋楽を愛するマスターの店にはロック好きや洋楽好きが集まった。

客全員でラジオの音楽番組を聴いていたり、客がギター片手に歌ったりすることもあった。
客が買ったばかりのレコードを手に店に押しかけ、客全員で聴いたりもした。

もちろん純粋に珈琲や紅茶を楽しむ店も多かったが、当時ならではの喫茶と言うなら、やはり音楽を愛する場所としてのそれだったと思う。
客は常連がほとんどで、皆が店を第二の我が家だと考えていた。
音楽が最も力を持った時代だったからこそ、そういう場が成立したのだ。

この曲は、当時のそういう店の雰囲気を伝えてくれる、数少ない曲の一つである。
若者が集まり、たむろし、音楽について、政治について、恋愛について、熱く語り合った時代。

しかし、こうした蜜のような時代は長くは続かなかった。
だからこそ、この曲は切ない。

この曲は、彼女の3枚目のアルバム「あ・り・が・と・う」に収録されている。

リリース: 
1977年

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