中孝介 - 夏夕空
♪色づく西空に 差し込む一筋の陽
♪夕立の雨上がりに 気付く 夏の匂い
穏やかなようで、でも、うっかりすると泣き出してしまいそうな、そんな夏の夕日の懐かしさが溢れてくる。
ノスタルジックな歌詞と、穏やかで郷愁を感じられる落ち着いた曲調。
そして、ファルセットによる特徴のある声が豊かに響く。
懐かしいようで、けれど新鮮な音楽。
それが中孝介(あたりこうすけ)だった。
彼のファルセット・ボイスは、とても特徴的で、僅かな瞬間にも「あ、中孝介だ」と気付く。
最初に聴いたとき、それは物凄く新鮮に聴こえた。
けれど、彼のいろんな曲を聴いているうちに、これは諸刃の刃だと感じるようになった。
ファルセット・ボイスは、聞き取りにくく、言葉がダイレクトに伝わらない。
どの曲を歌っても、ファルセット・ボイスの印象が強過ぎて、似たような感じになってしまう。
強力な武器だけど、同時に、強力過ぎて、扱い方が難しいのだ。
だが、その特徴的な声の印象は、日本での評価を高めつつ、同時に彼を、日本から外に押し出していく。
台湾、シンガポール、中国などでも、彼は大きな評価を得ているのだ。
彼の声は、声というよりも、楽器なのだろう。
その磨かれた楽器の音に、リスナーの耳は奪われる。
この曲は、「絆/夏夕空」という4曲入りシングルで発売され、「絆歌」というアルバムにも収録された。
作詞作曲は江崎とし子。
TVアニメ「夏目友人帳」のエンディングテーマとしても使われている。
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