上田としこ - フイチンさん

8月 26 2013

戦前の満州、ハルビンが舞台である。
当時は貧富の差が大きく、子供も働くのが当たり前。
中国娘のフイチンさんも働く少女だが、その持ち前の明るさで、皆の人気者だった。

ある日フイチンさんは、たまたま財布を拾ったことが縁で、お金持ちの主人に気に入られ、幼い子供の遊び相手を頼まれる。
早速、貧富の差を鼻にかけた子供と衝突するが、彼女のまっすぐで正直な気質によって、次第に打ち解けていく。

とにかくフイチンさんは、明るくおてんばで元気が取り得。
しかも考え方が常に前向きで、まっすぐ。
その快活さが、とてもまぶしかった。

彼女は父子家庭の娘で、父親は門番である。
生活は一応安定していても、余裕など無い。
けれど、彼女はそんなことを、全く気にしていないようだ。

そんな彼女の姿は、読む者全てに元気を与えてくれていたと思う。

昭和32年から37年にかけて「少女クラブ」に連載された漫画である。
当然、私は連載当時は読んでいない。
しかし、その単行本は、いつの間にか、私の愛読書となっていた。

当時の記憶は全く定かではないのだが、おそらく、従姉妹の漫画を貰ったのだと思う。
小学校の頃、従姉妹から漫画をいくつか貰った覚えがある。
その中の一冊だったのだろう。

漫画の中には、当時の満州がどんな雰囲気だったのかが描かれており、それもとても興味深い。

ちなみに最近、ビックコミックオリジナルで「フイチン再見」の題名で、上田としこさんの伝記が連載され始めたらしい。
コミックスにまとまるまでが実に待ち遠しい。

リリース: 
1957年

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