ちばあきお - キャプテン

7月 22 2013

スポーツ漫画の多くが超人的な主人公を用意する中、ちばあきおは、超人でも天才でもない、地味で欠点もある主人公であることに拘った。
作中、野球部のキャプテンは代わっていくが、どの人物にも長所と共に短所があった。
ごく普通の主人公が、必死の努力によって壁を乗り越えていく事こそが、彼にとって描くべきリアリティーだった。

たとえば初代は、その努力家ぶりは超人とも言えたが、しかし彼は、転校前に在籍した有名校の野球部では、2軍の補欠に過ぎなかった。
2代目は、面倒見はいいが、喧嘩っぱやく、4代目に至っては、ピッチャーとしての才能はあっても、努力を嫌い、不満ばかりを言う横柄さだった。

常勝校ではないゆえに、選手層は薄く、しかしベストを尽くそうと、彼らは無茶なほどの努力によって、死に物狂いで勝利を勝ち取っていく。
そして、無理を重ねたことで、負傷により、戦いを放棄せざるをえないこともあった。

今の感覚では、あの練習は虐めではないのかとか、そういう意見もきっと出てくると思う。
根性だけの練習では、そうそう巧くなるものではないことは、今は科学的にも検証できている。

だが、彼らが練習によって、そして試合や人間関係によって、次第に欠点を克服し、成長していく様子に、読者の多くが、強く感動していたと思う。
努力することの大切さを、一つ一つ積み上げていくことの貴重さを、この漫画で学んだ人も多かったはずだ。

リリース: 
1972年

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