元々旅行が好きだった彼女が、パリに憧れ、パリに住みつき、パリでいろんなものを見て、日本との違いを実感したり、楽しんだり、がっかりしたり…。

そんな彼女の日常そのものが、なんだか友達の話を聞いてるような雰囲気で伝わってくる、好印象のマンガ・エッセイ本。

４コマ漫画スタイルで、同じ大きさのコマが淡々と並ぶ。
絵は細めの線でラフだし、あちこちに手書きの書き込み文字が入る。
なんだかメモ用紙に描いた落書きっぽいし、ちまちました感じにも見える。
パラパラとページをめくってみても、感情を抑えた控えめな表現が並んでいる。
だから、最初の印象は、なんだかつまらなさそうだった。

でも、実際に読み出すとドキドキしてくる。
誇張の無い、彼女自身の感情が、自然と伝わってくる。

久しぶりに会った親友から、その近況をあれこれ聞いてる感じ。
気心の知れた仲間だからこそ、気軽に屈託無く、そして誇張も無く、話せている感じ。
いつの間にか、相槌を打ちながら、彼女の言葉に聞き入ってる自分がいる。

彼女のパリ暮らしは2004年から。
そしてパリで結婚し、子供も育てている。
そんなパリの生活を、等身大に感じさせてくれる良書。

落書きっぽいと感じてた絵が、詠み終わる頃には、おしゃれな絵に変身している。
絵そのものは同じなのにね。