徳永英明 - 壊れかけのRadio

9月 17 2013

何も聞こえない 何も聞かせてくれない
僕の身体が昔より 大人になったからなのか

徳永の10枚目のシングルで、彼の代表曲の一つ。
間違いなくこの曲は名曲である。

作詞作曲は徳永英明であり、この一曲だけを見ても、彼が素晴らしいシンガーソングライターであることは明白だ。

けれど、何故か、私はこれまで、徳永英明を真剣に聴いたことが無い。
いや、一度は真剣に聴いてみようと、CDを買ったこともあるのだが、結局真剣には聴けなかったのだ。

「何故か」と書いたが、おそらく、理由は2つある。

まず声だ。
彼の舌足らずな歌い方。
その子供じみた声が、どうしても私には馴染めない。

そして彼の立ち位置だ。
私には彼の立ち位置が、音楽業界なのか、歌謡界なのか、判断が付かない。
どうも芸能界の匂いを強く感じてしまう。

私はロックもフォークもポップスも好きだが、何故か昔から、歌謡曲には違和感を感じてしまう。
音楽を作って食っている人を尊敬する一方で、いわゆる歌手や芸能人には、大抵、抵抗を感じてしまう。

これは私にも説明しがたい、また理解しがたい壁なのだ。

これは徳永だけの話ではない。
サザンオールスターズも、CHAGE and ASKAも、B'zも、そこそこ好きな曲もあるにも関わらず、どうしても芸能界臭さを感じてしまい、距離を置いてしまう。

私のこの感覚は、徳永にとっては理不尽だろう。

彼は素晴らしい曲を書き、それを歌っている。
その素晴らしさは私も理解している。
これは間違いなく素晴らしい曲である。

けれど、どこか微かに感じる、アイドルソングのような香りが、私には乗り越えられない壁なのだ。

リリース: 
1990年

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