中川いさみ - ストラト!

10月 10 2013

47歳でエレキギターを始め、バンドに挑戦する話。
いわゆる「おやじバンドへの挑戦」である。
ただし主人公は漫画家本人であり、仲間はIKKI編集部の担当や編集長。
マスコミつながりから、メジャーデビューにまで挑戦することになる。

基本的はまんがエッセイであり、本人の体験がそのまま漫画化されている。
ギターやアンプの選び方、使い方も、先生から教わった内容がそのまま(?)描かれており、なるほど、おやじが初歩からギターを習うというのは、こんな感じなんだな、と思える。

手が小さいから小さめのギターの方が楽なんじゃないかとか、そうした初心者ならではの重大な疑問も、楽器屋で尋ねたり、実際に触ってみたりしながら、本人なりの結論を得て、漫画で説明しているから、ギター初心者の人にとっては、良い参考書にもなりそうだ。

そしてまた、学びたい気持ちと、上手くなりたい気持ちは高まっていても、怠けたくなるのが人の性(さが)。
そのあたりも正直に描写されており、好感が持てる。

ただ、編集部というコネクションを使っているため、指導の先生がすぐに見つかったり、一緒に練習する仲間との時間調整もほぼ不要だったりと、一般人には「楽してるなぁ」と思えることも多い。

イベントに参加するとか、泉谷しげるに色々コメント貰っていたりとか、録音してCD作成とか、まぁ、普通じゃこんなには短期間では回らないよな。
漫画的にはネタがいろいろ入ってないとつまらないとも思うけど、コネを使い過ぎじゃないか、とは少々感じる。

でもその代わり、こうした体験を全て漫画化しなきゃいけないプレッシャーもあるわけで、そうしたプレッシャーが無ければ、なかなか続けられないものだろう。

楽器はやっぱり、「初心者の壁」を越えるのは大変なのだ。
「やってみたい」だけの小さな熱意では、その壁はなかなか越えられない。
若いときならいざ知らず、いい歳こいてのスタートは、なかなかギアも入らない。
「やるしかない」ところまで追い込まれて、やっと乗り越えられるものだろう。

いい歳こいて「ギターをやっぱりやってみたい」と感じている人は、一度読むといい。
若干の差し引きは必要だけれど、「なるほど。こんな感じか」とは判るはずだ。

リリース: 
2009年

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