Nina Hagen - Naturträne

10月 21 2013

開いた窓越しに見えるわ 空を小さな雲が流れていくのが
風が冷たい 私の鼻が凍ってしまいそう
切れ切れにパイプオルガンの音が聴こえてくる

ああ、太陽が沈んでいく 赤と金色に染まっていく
私が通りを見下ろすと そこには友達が立っているの

美しい街の黄昏時の風景と、そこに住む女性の心を描いた歌。
静かなギターのアルペジオに、情熱的な女性のボーカルが重なり、いつしかサウンド全体が大きく盛り上がっていく。

この歌の内容を知って欲しくて、あえて途中まで訳してみた。

正直に書くなら、バックの演奏はさほど凄いわけではない。
平凡と言ってもいい。
だが、このボーカルは凄過ぎる。
超絶に上手いし、素晴らしい声なのだが、この表現力は凄いと通り越して異常である。
いや、はっきり言って、これは怖い。
だが、その異常性が、狂気が、彼女の個性そのものなのだ。

映像を見れば、その異常さは一見にしかずだろう。

ニナ・ハーゲンは「パンクの母」とも呼ばれる。
東ドイツ出身で、ユダヤ系。
母は女優、父は脚本家だった。

最初は女優を目指すが、頓挫し、歌手を目指す。
東ドイツからイギリスに亡命し、その後西ドイツでNina Hagen Bandを結成。
この曲は1stアルバム「Nina Hagen Band」の中の一曲だ。

彼女のエキセントリックなボーカルの凄さが熱狂的な支持者を作ったが、我侭ぶりも凄かったらしく、バンドと対立し、次のアルバムでバンドはニナの元を去る。
ニナはその後、ソロとして活動し、同時に様々なユニットにも参加。
また、希少動物保護や宗教的なキャンペーンにも参加しており、政治な発言も少なくない。

純粋な彼女のアルバムは20枚前後だが、これまでに何らかの形で参加したアルバムは200枚近いというから、彼女のタフさには感心するしかない。
ちなみに結婚暦も6回という猛者である。

リリース: 
1979年

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