The Alan Parsons Project - Sirius/Eye in the Sky
かつてこのバンドは、ライブを一切行わなかった。
レコードを作るためだけのプロジェクトであり、その中心メンバーであるアランは楽器もほとんど触らず、歌も歌わなかった。
しかし、そのクオリティーは圧倒的に高く、しかも聴きやすく、美しかった。
アランは元々、アビイ・ロード・スタジオのエンジニアである。
ビートルズ、ピンク・フロイドなど、数多くのアルバムに、初期にはエンジニアとして、後期にはプロデューサーとして関わっている。
まだエンジニアだった頃、アランはエリックから「エドガー・アラン・ポーを題材にアルバムを作りたい」と持ちかけられた。
意気投合し、様々なアイデアを出し合った。
バンドである必要はなかった。
ボーカルはエリックが取り、ミュージシャンは雇って済ませた。
アランはレコーディング技術の最先端を、このアルバムに注いだ。
レコーディング技術を生かすために、積極的に曲作りにも関与した。
アランの凝ったサウンドは支持され、グラミー賞候補にもなった。
その後もスタジオ・ワークに専念するプロジェクトとして、10枚のアルバムを出した。
「Eye in the Sky」は比較的初期の名曲で、アルバム・タイトルにもなっている。
前奏として「Sirius」というインストゥルメンタルが付く。
サウンドの美しさは絶品だ。
プロジェクト解散後、アランはしばらく一人で活動していたが、その後レコーディング時のメンバーを中心に据えた、ライブ・プロジェクトを開始する。
演奏もボーカルもプロジェクト・メンバーにまかせ、たまにぎこちないボーカルを披露していた彼も、ライブをこなすことで、ボーカルもかなり上手くなってきた。
はみかみながら歌う大男というのも、案外可愛いものだ。
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