野村宗弘 - とろける鉄工所

7月 28 2013

溶接工の職場をモチーフにしたコメディ漫画。

中小企業の大変さ、技術職のこだわり、仕事にかける誇りがしっかり伝わってくるあたり、コメディでありながらも、結構シリアスだ。
日本の産業は、こういう人達が支えているのだと、ついつい真剣に考えてしまう。

と同時に、職人さんの家族として描かれている人達が、実に暖かい人ばかりで、思わず和む。
苦労人と暖かい家族との組み合わせは、やはり最強である。

それにしても、溶接とはずいぶんレアな、と思ったら、作者は以前実際に、溶接工をしていたのだという。
道理で、あちこちに入る技術的解説が具体的なわけだ。

現場だからこその知識は、やはり説得力があり、大変興味深い。
自分の生活には全く影響しなさそうな情報でも、そういう知識を共有できたことが、素直に楽しい。

彼が実際に何時頃働いていたのかは知らないが、この雰囲気って、何時頃の日本なんだろうなぁ。
バブル前の香りもするが、多分そんな前じゃないだろう。
案外今も、溶接工の現場って、こんな感じなのかもしれない。

「ご苦労様です。ありがとう」
日本を支えてきた職人さん達に、思わずそう伝えたくなる、暖かい漫画である。

リリース: 
2007年

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