沙村広明 - 無限の住人

7月 26 2013

やはりこれは、類まれな画力の魅力なのだろうな。

一応江戸時代だが、あえて時代考証は無視し、衣装やいでたち、剣や武器、防具もオリジナリティー溢れるデザインに、懲りまくっている。
独自の武器を生かした戦闘シーンの迫力は圧倒的で、しかもスピード感に溢れている。

主人公の万次は、事実上、不死の身体を持つ。
再生力が半端ではない。
だから、相手があまりに強敵のときは、不死を前提に、かなり無茶な戦いをする。
腕が切り飛ばされるぐらいはお構い無しだ。

敵は不死でこそ無いが、また異常に強い捨て身の奴が揃っている。

物語はいくつかの糸によって織られている。
敵討ち、剣客集団である逸刀流の謀反、不死の身体の秘密を追う者。
中でも逸刀流の背景は丁寧に織られており、当初は敵であった彼らに次第に共感を覚えてくるから、物語が俄然複雑化する。

残酷な流血シーンが多いが、ただ残忍なだけの物語ではない。
彼らの戦う理由の重さが、必ずしも命を粗末にしているわけではないことを物語っているからだ。

険しい物語だけに、時折混じってくる軽いギャグが異様に効く。

作者のデビュー作であり、約20年かけて連載され、途中、少しずつ物語の描き方が変わっていきつつ、昨年末に完結した。
全30巻。

表紙はあえて29巻。
独自の武器や衣装の一例がよく分かると思う。

リリース: 
1994年

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