桑田次郎 - デスハンター

7月 16 2013

子供の頃、桑田次郎の絵こそがSFだと思っていた。
ブレのないシャープで美しい描線。
陰とハイライトの明確な、ガラスのような質感。
手塚のいかにも漫画めいた柔らかい線より、圧倒的に大人びていた。

なにより、彼の描く主人公には、いつも陰があった。
悩み、傷付き、孤独をいつも忍ばせていた。

特にデスハンターは、一切の望みを断ち切るがごとき展開と、当時の少年誌では考えられないほどの残酷な描写が、これは大人向けの作品であることを明確に主張していた。

デスハンターも8マンと同様、平井和正の原作である。
平井と桑田のコンビ作品は多く、いずれもSFであり、外れがほとんどない。
しかし、コンビ作品の中でも、この作品は特に救いがない。

人類を救うための過酷な組織に参加した主人公は、人を凶暴化させる謎の憑依体「デス」を抹殺するための戦いを強いられる。
デスに恋人や知人を奪われ、デスを抹殺することしか考えられなくなり、彼は人としての感情を失っていく。
しかし彼が戦いによって得た結論は…。

桑田の漫画家デビューは13歳のときだったという。
とんでもない早熟天才少年だったのだ。

リリース: 
1971年

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