大貫妙子 - CARNAVAL

8月 16 2013

祭り上げる familiar angel
ただ無口な mob-bish vulgus

大貫の4枚目のアルバム「ロマンティック」の1曲目。
私はこのアルバムが、本当の彼女のデビューだったと思っている。

シュガーベイブ解散後、彼女は既に3枚のアルバムを出していたが、この仕事を続けていくべきか、迷っていたという。
おそらく彼女は、自分が歌いたい曲、作りたい曲のイメージはあっても、それがヒットにつながる曲になるという自信は持てなかった。
時代と自分自身との距離を、彼女は感じ取っていたのだ。
しかし、曲を出すということは、売れるためでもある。

その気持ちを整理するのに、彼女は2年かかった。

そんなタイミングで、彼女を導いてくれたのは、牧村憲一だった。
彼はかつて中津川フォーク・ジャンボリーの実行委員やシュガーベイブのマネージメントをやっていた人だ。
彼はプロデューサーとして、彼女に「ヨーロッパっぽい音楽」を勧める。

そして彼女の片腕になってくれたのが、YMOで活動する坂本龍一と、既にヨーロッパの音に拘っていた加藤和彦だった。
彼ら二人は編曲者として、丁寧に彼女の曲を仕上げていった。

彼女の歌い方も、曲の作り方も、このアルバムでずいぶん変わったと私は思う。
二人のアレンジに助けられながらも、彼女独自の世界観を明確に音に組み立てたのが、このアルバムだった。

この曲は坂本龍一の編曲で、実質YMOが演奏している。
ギターは大村憲司だ。
けれど、いわゆるYMOサウンドとは、また少し違った印象が残る。
彼女と坂本、YMOとの間で、しっかり綱を引き合った結果だろう。

リリース: 
1980年

コメント

ユーザー ちゅん の写真


enlightened私も好き♪/嫌い」への投票は、ユーザー登録なしでもできるようになっています。
ただし、トップページのように、本文の一部しか表示されていない場所では投票できません。
タイトルもしくは「この続きを読む」をクリックして、全文を表示させてから投票してください。
投票は、実際に視聴したことのある作品に対してのみ行うようにしてください。
ユーザー登録なしでの投票は、通常、約24時間後に反映されます。