吉田秋生 - 海街diary 1 蝉時雨のやむ頃
Submitted by ちゅん
7月
8
2013
これは今現在連載中の漫画。
一応少女漫画の範疇だが、老若男女全てに読んで欲しいぐらいお勧め。
主人公のすずは父親を無くし、歳の離れた異母姉妹3人に引き取られ、鎌倉で生活することになる。
4人の共同生活と、それぞれの仕事や恋愛、そしてすずの成長が描かれる。
4人の仲には大きな喧嘩もいじめも起きない。
年齢が離れていることもあって、また当然、唐突に始まった共同生活だけに、すずも甘えを言うことのないしっかり者ぶりである。
この微妙な距離感が、不思議なくらいの和やかさを生んでいる。
すずの同級生との関係もほほえましいし、それぞれの姉妹の恋愛事情もそれぞれに個性があって面白い。
だが、何と言っても素晴らしいのは、一見ほのぼのとした生活漫画の中に、重たいテーマがしっかり盛り込まれていることだ。
親のいない生活や、足を失くした子供、自殺未遂等。
こうしたテーマをしっかり取り上げつつ、きちんとしたリアリティの下、明るい先行きを示していく、その筆の確かさ。
にも関わらず、どのコマも(特にすずを描いたコマには)みずみずしさが溢れている。
リリース:
2006年