村山慶 - セントールの悩み

7月 30 2015

人馬、竜人、角人、翼人、長耳人、人魚といったファンタジー系の人類が通う高校を舞台にした、日常系生活ドラマ。

この世界は現代の地球の日本とよく似た文化を持つが、人は進化の過程で四本肢から六本肢に移行しており、ホモ・サピエンスの定義が異なっている。

ホモ・サピエンス以外にも、南極人(蛇人)や両棲人といった人類亜種が存在し、過去の歴史においては種族同士の戦争や差別もあったが、現在はこうした差別を徹底排除した平和共存が行われている。

特定の人種を差別したと看做される行動は、死刑や射殺の対象となるなど、ある面では非常に息苦しい共存でもあるのだが、彼らの高校生活は全般にとてものんびりした印象で、人種間の差別は事実上見られない。
普段から差別的な行為と見做されないように注意をして生活しているものの、それは決して彼らの閉塞感にはつながっていないようだ。

このマンガのお勧めポイントは、大きく分けて2つ。

まず主人公たちの性格の良さによる、ほのぼのとしたドラマ展開である。
キャラクターや世界観が特殊であることを除けば、高校生の日常生活ドラマの王道と言って差し支えない。
特に主人公の、人馬の女子高生、姫乃のキャラクターは、おしとやかで、ちょっとおずおずとした感じが実に可愛い。
彼女たちの興味や、彼女たちが友情を育む様子は、実にピュアで楽しそうだ。

もう一つは、特殊な世界観が少しずつ解きほぐされていくことの快感である。
このマンガは、彼女らの日常生活を通して、文化や歴史の謎が少しずつ明かされていく仕掛けとなっており、そういう説明が出てくるたびに、「なるほど」「ふむふむ」と思わず感心してしまう。

必ずしも謎解きを楽しむマンガではないのだが、「なるほど!」と思える説明は、それだけでとても楽しい。

異世界に迷い込みつつ、それをのんびりと楽しめる感覚は、ファンタジー好きには堪らない。

リリース: 
2011年

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